若くして亡くなったわけじゃない、
誰かの手によって失ったわけじゃない、
命あるものいつかは尽きる、
分かってるよ。。。そんなこと
だけど、このコがいない空間が苦しいよ
トムがいたことが当たり前だったように
いつか、いないことが当たり前になるのだろうか
先週の今日は、まだ私の傍にいてくれた。
この膝で眠っていた。

今日、初七日。。。



亡くなったあくる日、
泣いてばかりもいられない。
昼には母の食事介助に行った。
でも、トムの待つ、家に早く帰りたくて
病院に長居をすることはなかった。
今日一日しか一緒にいられない・・・。
明日の今頃にはもう、姿はない・・・。
何度も何度もトムの体に触った。

夕方、帰ってきてバイクを停める瞬間、
「ワンワン」とトムの鳴き声が部屋の方から聞こえた。
はっきりと聞こえた・・・。

もういないのに・・・。



どうして死んだのっ!!!なんで、なんでよ!


ダンボール箱では切ないのでバスケットを買って帰った。
トムの体を箱から出した。
冷たく固くなった体、本当に死んじゃったんだね・・・


夜中に何度も起きて、トムを見た。
もう会えないからしっかり目に焼き付けておこう・・・。


そして、
朝が来てしまった。
霊苑に行かなければならない。

最初で最後の家族そろってのドライブ・・・
トムは外が怖くて嫌いだったから
散歩も動物病院も嫌だった。
だから、ドライブなんてしたことがなかった。


その霊苑は随分と遠く、山の中にあった。
のどかで広くて静かで・・・


最期の最期で、トムを胸に抱いた。。
夫と二人でトムの周りに花を飾った。
好きだった食べ物もたくさん入れた。

夫に言った。

「毎週毎週欠かさず、トムをシャンプーしてくれて有難うね」

10歳を過ぎてアトピー性皮膚炎になり、獣医からの指示で
毎週シャンプーをしなければならなかった。
シャンプーを恐れるトムを案じ、私は夫に冷たくあたっていた。。
感謝することはなかった。





そろそろ時間です。


扉を開けると、炉が並んでいた。

係りの人がトムを抱いて一番遠い炉のところへ


トムを乗せた台車が扉の中へとすべってゆく



トム トム!! トム!!! トム・・・・



私は泣き叫んだ。


瞬間、後ろから嗚咽が・・・。

夫が泣いていた。
静かに涙を流すのではなく嗚咽だった。
堪えても堪え切れない声だった。

夫はとても悲しんでいたのだった。

いつも冷静で、「動物はみないつか死ぬ、仕方のないこと」

そう言って泣く私を下らないみたいな顔して見ていた。

その夫が泣いていた。目を真っ赤にして。。

夫と知り合って25年、私は初めて夫が泣くところを見た。

私の知らない夫がいた、不器用な夫は、
夫なりにトムをとても大事に想っていた。





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