ココロ ガ イタイ・・・


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お昼過ぎのことだった。歳の近いパートのS本さんが
「ねぇさん、捕まえた万引きっ!」
と男の子を連れてきた。
見るとまだ、幼さが残る感じ。。。そして真面目さも。。。
その時、「このコ知り合いの子なんよ、見逃してやってくれん?」と
1つ下の知り合いが声を掛けてきた。
「悪いけど、知り合いっていうの関係ないよ。それにこの子
初めてじゃないって言ってるし。」と間髪いれず言うと
「でも、この子の親は、両親とも聾唖なんよ許してやって」
と言う。
「いや、だからね、親が障害を持っているから許されるもんじゃないでしょ?
この子が憎いわけじゃないよ。」
と言うと私を睨みつけ「内申に響くじゃない・・・」と呟く。
ほどなくして彼女は帰っていった。
少年の親は耳が聞こえないので私たちが連絡をするわけにいかず
本人が携帯のメールで親に連絡をとった。
親と連絡が取れない時のために学校にも連絡をしたが
通じなかった。
暫くして父親がやってきて少年の顔を見るなり
2・3発殴った。 少年は黙って下を向いていた。
父親は唇を読むことは出来るようだったので
「悪いことをしたけれど、あまり酷く、殴ったりすることは
止めて下さい」と私は言った。
その後、少年の傍に行き言葉を掛けた。
「あのね、今お父さんに殴られて痛かったよね?でもね、お父さんは
自分の何倍も何十倍も心が痛いんよ・・・。殴られて悔しいよね?
でもね、お父さんは自分の何倍も何十倍も悔しいと思うよ。
耳が聞こえないハンディを抱えて辛い思いをしてきたの
小さい頃から見てきたんじゃないん?もし、親が障害者だから
気に入らないからって思いで万引きするんなら最低の事よ。
解るよね?もうしないよね?約束してよ・・・。」
と言うと涙がポロポロ溢れてきた。
少年をみると少年も涙を流して「うん、うん」と
頷いていた。
父親と少し距離をおいて帰っていく後姿を見送った。
中学1年生だった。去年までは小学生だった。
心は未だすれていない様に感じた。
心がすれているのは、「見逃してくれ」と
当たり前のように言った大人の方だと思った。

今回のことで何かを感じて欲しいと心から願う。

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